家財に大型家具や家電があるなら、引っ越しをする際には引っ越し業者に依頼して運んでもらうことになります。業者を探して申し込むタイミングがわからないという人も多いでしょう。あるいはそんなこと気にしたこともないという人もいるかもしれません。実は、申し込むタイミングによって料金に差が出ることがあるため、タイミングは重要です。
引っ越し業者の予約について
引っ越しを思い立ち、自分の希望する日に業者に急に引っ越しを頼んでも、引き受けてもらえるかどうかはわかりません。業者は引っ越しを引き受けたくても、空いているトラックがないと荷物を積むことができないからです。作業に従事するスタッフの確保もしなければなりません。
予約がすでに埋まっていれば、前後の空き時間で積み込みから移動、荷降ろしまで完了させられるような引っ越しなら良いですが、移動距離が長く荷物の量が多ければ所要時間が長くなるため短時間のすき間には入れてもらえません。
すき間の時間に無理に入れ込んでもらうのではなく、丸々空いている日に自分の希望する時間帯の引っ越しを入れてもらうのがベストです。そのためには早めの予約が欠かせません。
いつから予約できるの？
とはいっても、何カ月も先の引っ越しを何月何日何時とピンポイントで予約を取るのも難しいことではないでしょうか。家を新築中の場合は、未完成の状態でいつ完成になるかわからない家の引っ越し予約を取るのは難しいです。
工期が遅れて引き渡しが伸びることを想定して、余裕を持った日にちで予約したとしても、それ以前に完成すれば一刻も早く住みたいと思うものでしょう。それなのに何カ月も前に予約を取った日に無理やり合わせることは納得いきませんよね。そのため業者に申し込むタイミングが意外に難しく、最適なタイミングはいつだろうと悩む人もいるようです。
引っ越し業者では、あまりに早い時期に申し込みを受け付けても、その間に予定の変更や見積もりをした後に荷物が増減することもあるため「3カ月前から」申し込みを受け付けている場合が多いです。
いつまで予約できるの？
引っ越し日の直前に申し込んでも予約を取るのが難しいことは冒頭で説明しました。多くの引っ越し業者が推奨する申し込み時期は「遅くとも3日前までに」と説明しているところが多いです。しかし、それは単身で荷物が少量で移動距離も短い場合とみるべきでしょう。
引っ越し業者の都合次第
ただし、急に引っ越しをすることになった場合、極端な話、当日でもトラックと作業員さえ確保できれば引っ越しはできます。大手の引っ越し業者のホームページには「急な引っ越しもご相談ください」「急ぎの引っ越しにも対応します」と書かれていることがあります。
必ず3日前までに申し込まなければ一切引き受けないということではなく、その日にトラックと作業員の空きがあれば引き受けてもらえることがあるということです。
通常は自分の荷物量にあった適正なサイズのトラックを利用することになりますが、どうしてもその日のうちにすませたいときには、大きめのトラックが空いていれば荷物を積んで運ぶこともできます。
当然、トラックのサイズが大きいと料金は小さいトラックよりも高くついてしまいます。しかし金額の問題よりも、その日のうちに引っ越したいというのであればそういう方法もあるということです。
急な引っ越し依頼は料金が高くなりがち
急いで引っ越さなければいけないときは引っ越し業者を探すことが難しく、運よく見つかったとしても他に競争相手がいないことがわかれば大幅な値引きはしません。足元を見て高い料金を吹っかけてくることさえあります。
通常の手続きを踏んだ丁寧な見積もりは期待できないでしょう。ざっと家具の内容を知らせて電話で概算の見積もりを出してもらうことになります。そのため、実際に作業してもらった後に追加で費用がかかる可能性もあります。
1社の見積もりだけではその費用が果たして高いのか安いのかという判断ができません。そのため複数の引っ越し業者の相見積もりを取ることが本来は望ましい形です。最低でも3社の見積もりを出してもらえば大体の相場がわかります。他に候補の業者があるということが相手に伝われば、最初からそうそう高い料金を吹っかけてこないと思われます。
直前何日前まで予約ができるかという結論としては、引き受けてくれる業者があれば当日でも引っ越せることになります。
予約に最適なタイミングは？
数々の引っ越しを手がけてきた業者は「1カ月前までに」申し込むことを推奨しています。会社員や公務員は、引き継ぎや挨拶まわり、引っ越しの準備や手続きなどにかかる十分な期間を見越して、1カ月前ぐらいに異動の辞令が出ることが多いからです。
家族の状況に応じてもっと早くに内示が出たり、単身の場合は身軽なためか2週間前に辞令が出たりすることもあるようですが、それでも引っ越しに十分間に合うことがあります。
あまりに早くから荷造りを始めて、部屋の中にダンボールを積み上げておくのも落ち着きませんし、倒れれば危険です。引っ越しまでの間に生活に不便が生じて、荷造りしたものを再度開かなければならないこともあるかもしれません。
直前でなければ荷造りできないものも意外と多いため、やはり早くから取り掛かるのは得策ではありません。それらのことを考え合わせると、長くも短くもない1カ月前がベストというのは理に適っています。
早めの予約は特典あり
転勤の場合は早くから行き先がわかっていないと申し込むことはできませんが、自由に引っ越し日を決めることができるなら早めの予約がお得です。
業者によっては早めに引っ越しの申し込みをすることで早期予約割引特典が受けられることがあります。また、予約が埋まっていないガラガラの状態なら、料金が安くなる日をピンポイントで狙って申し込むことができます。
引っ越し業界には繁忙カレンダーというものがあり、「繁忙期＝料金が高くなる」、「通常期＝普通料金」、「閑散期＝料金が安くなる」このように、料金を3段階にと分けていることが多いです。
つまり、早めに申し込めば、その安い日に優先的に予約をとることができます。少しでも引っ越し料金を安く抑えたいと思うなら3カ月前あたりに申し込むと良いのではないでしょうか。このカレンダーはホームページで確認できる業者もあります。
業者に予約する際の注意点
上で引っ越し予約のタイミングについて説明しましたが、4月1日付で異動と決まっているなら、予約はできるだけ早く取ることをおすすめします。この時期は進学、就職、転勤シーズンと重なるため、全国各地で一斉に混み合うからです。人気のある業者からどんどん予約が埋まってしまいます。
繁忙期は業者が手配できないことも
1年のうちで一番引っ越しが多くなるであろう日が3月最終の土曜日です。次が翌日の日曜日です。ここに大安がぶつかれば引っ越し料金は相当高騰することを覚悟しなければなりません。
その日だけでなく、公立の小中学校が春休みになる3月中旬から4月上旬にかけては引っ越し業者の最大の繁忙期を迎えます。この数日間で年間売上の三分の一から半分を売り上げるというのですから、なかなか手配がしづらいはずです。
規模、知名度、評判、品質、安さなどいろいろな視点で予約が埋まっていきます。残る業者はそこからあぶれた業者ということになってしまい、そんな業者に高い料金で申し込まざるをえない状況になってしまいます。
しかも、この時期は国の引っ越し業の許可を取得していない違法業者がトラックを使って儲けようとしているので十分気を付けてください。ポストに手作りのチラシが投函されていても携帯電話番号しか記載のないものは怪しいです。
ちゃんとした見積もりがなかったり、名刺に「一般貨物自動車運送事業」の許可番号が表示されてなかったりすればすぐに見抜くことができます。
早期予約キャンペーンに注意
早くに申し込めば早期予約割引特典があると説明しましたが、「特典」「キャンペーン」「限定」「30％off」などの言葉に惑わされる必要はありません。割引率の高さで選ぶのではなく、あくまでも見積もり総額で比較しなければ意味がありません。
もともと料金が高い業者が宣伝のための常套手段であることを知っていれば、うまい言葉に引っ掛かることはありません。1社だけでなく、必ず複数業者の相見積もりを取った上で判断してください。
引っ越しの無料一括見積もりサイトを使えば、大々的にキャンペーンや割引を銘打っていない業者から、それよりも安い見積もりを取れる可能性はあります。世間の相場を知る上でも、利用して損はないでしょう。
急な引っ越しにはさまざまなリスクがつきものです。できれば当日よりも前日、前日よりも前々日など、少しでも余裕を持って予約ができるように努力をすべきと考えます。即日引っ越しできる業者が見つかったとしても、それまでに自分の準備が整っていなければ違約金を取られることもありますので、よく考えた上で無理のないように申し込みましょう。
