ダンボールを安く手に入れる方法と無料で用意する際の選び方

ダンボールは、物流トラックで商品を積んで運んだり、通販サイトで品物が送られる際の梱包資材というイメージがあるかと思います。しかし、引っ越しをする人にとってこのダンボールは、なくてはならない最強のアイテムになります。

たくさん集めなければならないため、どこでどうやって入手したらよいか悩んでしまう人もいるでしょう。そんなダンボールの入手方法と、引っ越しに適したダンボールの選び方について説明します。

ダンボールを安く手に入れる方法

引っ越し業者に作業を依頼する場合は、紙袋やビニール袋に荷物を入れるのでなく、こまごまとした物はすべてダンボールに入れなければなりません。同じ大きさのダンボールをトラックにすき間なく積み重ねることにより、荷崩れも起きにくくなり、物が破損することを防げます。

このように便利なダンボールですが、引っ越しで使うからには、ある程度の強度が必要です。しっかりとした厚みのある素材が適しているのですが、何十個も必要になるためどこでどのように安いダンボールを入手したら良いのでしょうか。

ホームセンターで購入する

ダンボールのような包装資材を大量に売っているところ、で真っ先に思いつくのがホームセンターでしょう。全国のあちこちに郊外型の大きな店舗を持つホームセンターがたくさんあります。そこに畳まれた新品のダンボールが小さいものから大きいものまで販売されています。

普通サイズのダンボールで1箱200円から300円程度の価格帯の商品が多く、サイズと紙質により料金の差がありますが、ここで激安の紙質の薄いものを選んでしまうと失敗することがあります。

紙質が薄く強度が弱いタイプのダンボールでは、荷物を入れて持ち上げた際に底が抜けたり、何個も積み重ねた際に一番下になるダンボールが潰れやすくなったりします。自分の大切な物が自分で選んだ激安ダンボールが原因で壊れてしまった場合、引っ越し業者の補償対象にはならないこともあり得ます。

引っ越し用には、並以上の価格帯のものを選ぶのが無難です。物に合わせてさまざまなサイズのダンボールを多種類購入したくなりますが、大と中の2種類程度で大きさを合わせましょう。でないと、積み重ねた際に隙間が多く出ると不安定ですし、予定していたトラックに全ての荷物が積めなくなってしまうかもしれません。

数の目安は、一人あたり20枚程度とみておきましょう。もちろん個人差がありますので、蔵書が多い人や収納スペースが広く物が多いと思われる人は多めに見積もってください。家族の人数が多い場合は、一気に購入するとダンボールと言えど、かなりかさばり重たくなることを覚悟しましょう。

ホームセンターで通販をしているなら送料はかかりますが、自宅まで届けてもらうこともできます。また、通販サイトでも購入できます。

100円ショップで購入する

昨今の100円ショップの品揃えは充実しています。使い捨て覚悟のチープなものから、とても100円には見えないようなゴージャスなものまで。引っ越しの荷造り用の資材になるプチプチの気泡緩衝シートやガムテープ、油性マジックなども安く買えます。

意外ですがダンボールも売られています。ワンタッチ式で広げたときに底を組み合わせて使うタイプ、ふたが取り外せるタイプ、花柄やイラストが描かれたものなど安価ではあるのですが、引っ越しにはふさわしくないボックスがほとんどです。

しかも、B5やA4サイズでは小さすぎます。一般のみかん箱の大きさが普通サイズやMサイズと呼ばれる大きさですが、その大きさのものは100円ショップでは見当たりませんでした。荷物を宅配便で送るときには小さい方が料金が安くすむため重宝するのですが、引っ越しで使用するのには残念ながら向いていません。

無料で手に入れる方法

ダンボールは、購入せずに無料で手に入れることもできます。ただでさえお金がかかる引っ越しですから、なるべく安くすむに超したことはありませんよね。多くの人のダンボールの入手方法は以下のどちらかでしょう。

引っ越しの業者にダンボールをもらう

引っ越し業者のすべてのプランがそうではありませんが、通常のトラックをチャーターする引っ越しでは、ダンボールを無料でプレゼントしてくれる業者が多いです。引っ越し業者のCMや、チラシ、公式ホームページなどでも、ご成約の方にはダンボールを最大50枚サービス、などと案内されています。

その他に、ガムテープや包装紙なども一緒につけてくれるところが多く、ハンガーに掛けた洋服をそのまま移し替えられるハンガーボックスなども無料で貸し出してくれるところもあります。布団袋なども枚数分用意してくれるため、荷造りに関して心配することはありません。

荷造り途中でダンボールが足りなくなってしまったら、引っ越し業者で回収したリサイクルダンボールを無料で譲ってもらえるところもあります。引っ越し業者としては、大量の荷物を積み上げる際には、自社の定型サイズのダンボールでそろえた方が何かと便利です。

部屋の行き先や品名など、誰かが書いた文字がそのまま残っていますが、きれいなものだけを持ってきてくれるので、先に書かれている文字は二重線で消したり塗りつぶしたりすれば何ら不都合はありません。それよりも目立つように大きく文字を書けば、間違えることもないでしょう。

単身パックなどの定額料金制の引っ越しプランでは、なるべく安価な価格設定にしているため、ダンボールなどの資材はついてきません。しかし、荷造り資材パックを一式販売してもいるので必要に応じて購入できます。

近隣のスーパーやドラッグストアでもらう

スーパーなどで、ご自由にお持ちくださいというダンボールを見たことがありませんか。ペットボトル用、野菜や果物用、お菓子用などさまざまな形のものが積み上げられています。

お店にとっては、きれいにつぶしてまとめて縛って廃棄するのが面倒なので、持って行ってくれた方が助かるわけです。みかん箱程度の大きさのものや、それよりも一回り大きめのしっかりしたダンボールがあれば、遠慮なく無料でもらいましょう。

ホームセンターやドラッグストア、コンビニや家電量販店などでも分けてもらえるケースが多いです。馴染みのお店があり店員さんと仲が良ければ、丈夫なダンボールを取っておいてもらえるようにお願いすると良いでしょう。

無料で入手する際の注意点

ダンボールを無料で手に入れる方法は上記のとおりですが、その際に、いくつか気をつけたい点がありますので紹介します。

業者の無料ダンボールは料金に含まれている

引っ越し業者の無料ダンボールは、引っ越しを契約して正式に引っ越し作業を依頼することになった場合に業者から受け取るものです。最近では無料を全面的に押し出さずに、プレゼントやサービスという言葉を使う業者が多くなっています。

なぜなら、もらえるダンボールは正しくは無料ではないからです。誰にでも無差別に無料で配っているわけではなく、引っ越しを依頼した人だけに限られるものです。当然、引っ越し料金に含まれているもの、と考えるのが正しい見方でしょう。

気をつけたいのは、見積もりをした時点で正式に契約をしていないのにダンボールをプレゼントする業者です。「ちょうどダンボールがありますので置いて行きますね」、「お急ぎでしょうから早く荷造りができるようにダンボールをプレゼントします」などと見積もり担当者に言われても、まだ一社に絞り込んでいないのなら決してダンボールは受け取らないでください。

その業者に決定しなかった場合は、有料で買い取るか、営業所に返しに来るように言われてしまいます。その際に1箱当たりかなりの高額で吹っかけられたり、返却の送料がかなりかかったりというトラブルが頻発して、国民生活センターに多くの相談が寄せられているからです。

ダンボールの選び方

スーパーやドラッグストアなどでダンボールをもらうときにはいくつかの注意点があります。まずは、引っ越しに適したダンボールを選ばなければならない、という点です。選び方を間違えると引っ越しでは使えず、資源ゴミを持ち帰ってしまうことになりますので以下の点に気をつけてください。

湿っているダンボールはNG

葉物野菜を出荷する際に水につけたり霧吹きをかけたりしていることがあります。当然ダンボールに詰めると湿ってしまうため、ひどいときには湿気を含み、外からみても濡れて変色していることが分かる状態のダンボールもあります。仮にその後乾いたとしても、一度濡れてしまったダンボールは新品に比べて強度が弱くなっています。濡れる心配のない商品が入っていたとわかるダンボールを選んでください。

ペットボトル用ダンボールは向かない

2リットルのペットボトルが6本入るサイズのダンボールを見たことがある人も多いと思います。2リットルが6本ともなるとかなりの重量になるため、材質に厚みがありしっかりと組み立てられています。持ち手も開いているし作業時に持ちやすいのではと思われそうですが、引っ越し業者のスタッフはそのような持ち方はしません。

しかも、縦長の形をした直方体で底面積が狭く安定感がないため、積み重ねるのに適していません。1個や2個程度なら大丈夫なことが多いですが、大きさが揃っていたほうが積み重ねやすいだろうと、全てのダンボールをペットボトルのダンボールで統一するのは止めましょう。

大きすぎるダンボールもNG

家電量販店では、電化製品を入れて四方を発泡スチロールで固定するものも多く、かなり大きなダンボールを入手できます。大は小を兼ねるだろう、と大きなダンボールばかりを使うのはNGです。大きなダンボールに目いっぱい荷物を詰め込んでしまうと、底が抜けて危険です。

物によっては足の上に落ちてケガをしたり、物が破損したりというトラブルに繋がってしまいます。あまりにも重過ぎて二人がかりで運ぶのも非効率なばかりか、荷造りの際に室内に重ねておくにも一苦労ですし倒れてきたら危険です。

適した大きさは、みかん箱程度とそれよりも一回り大きめのサイズで十分です。大きなダンボールには、衣類やぬいぐるみなどの大きくかさばる軽いものを入れ、普通サイズのダンボールには、本や食器などの重たいものを入れるようにします。

ダンボールの底が組み込み式になっているものもNG

折りたたんだ状態から広げたときにワンタッチで底面が組み合わさるタイプのダンボールがあります。底面の上下左右のふたを折ってピッタリ閉じる普通のタイプではないダンボールのことです。ギフトボックスなどに多い形状で、機能的でよく考えられているとは思うのですが、引っ越しの際には使えません。

なぜなら、重たい荷物を入れて持ち上げたときには底の中心部に力がかかり、組み合わせ部分が開いてしまい、物が落ちてしまう危険性があるからです。ガムテープでしっかり閉じれば大丈夫と思われそうですが、底面に凹凸があるためガムテープをしっかりと貼り付けることが難しく強度が保てません。積み上げる際にも底が平らでないため不安定になります。

まとめ

引っ越しで使うダンボールは、やはり引っ越し業者でサービスしているダンボールが最適です。イメージキャラクターのイラストなどがあるため、天地を逆にすることもなく、あらかじめ部屋や品名が書きやすいように印刷されていることがほとんどで、荷造りの際の手間もかかりません。

無料のダンボールが入手できる環境なら、なるべく大きさがそろうようにした方が良いでしょう。タイミングによっては在庫がないこともあるため、引っ越しが決まったらこまめに集めておきましょう。ちなみに、オプションで梱包おまかせプランを頼んだ場合は、自分でダンボールを用意する必要はありません。