一人暮らしが生活費を節約するなら、光熱費の節約は大きな課題です。
光熱費のなかでも、特に電気代は、大きな割合をしめます。
そこでここでは、電気代の節約法についてまとめました。
契約アンペアの見直しについて
「契約アンペア」とは、「一度に使える電力の総量」のことで、これは「アンペア(A)」という単位で決められています。
使っている電力が契約アンペア数を超えると、ブレーカーが落ちます。
よく夜、照明とテレビをつけ、電子レンジを使いながら掃除機をかけたら、ブレーカーが落ちた、などということがありますよね?
これは、使っている電力の総量が、契約アンペア数を超えてしまったということです。
契約アンペアは、10A〜60Aまであり、それによって電力の基本料金が違います。
契約アンペアが大きくなればなるほど基本料金も高くなり、10Aでは300円の基本料金が、60Aでは1,600円にもなります。
まずはこれを、最低限必要なものに見直しましょう。
自分の家の契約アンペアがいくつであるかは、一番大きなブレーカー(アンペアブレーカー)の上に書かれているので、それを見れば分かります。
契約アンペアが30A以上だったら、一人暮らしには大きすぎます。
一人暮らしに適当な契約アンペアは?
一人暮らしだと、家にある家電製品の数が少ないのはもちろん、住んでいるのは一人しかいませんから、一度に使う家電製品の数も少ないですよね?
なので契約アンペアも、小さなもので十分です。
家電のアンペア数は、主だったものは次のとおりです。
- 照明 …2A
- テレビ …5A
- エアコン …6.5A
- 電子レンジ …15A
- 冷蔵庫 …2.5A
このうち、何と何を同時に使うかを考えましょう。
冷蔵庫は、当然1日つけっぱなしにしておきます。
夜になれば、照明とテレビもつけますよね?
夏ならば、エアコンも使うと思います。
この冷蔵庫・照明・テレビ・エアコンを同時に使うと、使用電力の総量は16A。
これだけなら、契約アンペアは20Aで足りることになります。
ただしさらに電子レンジを使ってしまうと、合計31Aになってしまい、20Aでは足りません。
でも電子レンジは、長時間使うものではありません。
電子レンジを使う時だけ、冷蔵庫以外の家電製品をOFFにすれば、20Aで収まります。
一人暮らしは、契約アンペアを「20A」をめどに見直しましょう。
契約アンペアを小さくすれば、同時に使える家電製品の数が減るので、そういう意味でもさらなる電気代の節約につながります。
時間別点灯を利用しよう
時間別点灯とは、「昼と夜で電気代がちがう」という仕組みです。
「昼」は午前7時〜午後11時、夜は午後11時〜午前7時です。
時間別点灯を利用すると、通常の料金とくらべ、昼の電気代が20%値上がりするかわり、夜の電気代が60%値下がりします。
一人暮らしの人の場合、日中は仕事や学校、アルバイトなどで家におらず、電気を使うのはおもに夜ということも、少なくないのではないでしょうか?
そういう人は、電力会社に時間別点灯の利用を申し込むのがおすすめです。
冷蔵庫の電気代はかえって高くならないの?
「でも冷蔵庫は1日中使っているけど、時間別点灯にするとかえって高くならないの?」
そう思う人もいるかもしれません。
一人暮らしの100L程度の冷蔵庫は、通常の電気料金は、1時間1円程度です。
その場合、1日の電気料金は24円。
これが時間別点灯を利用すれば、
- 昼間 1.2円×16時間(7時〜23時)= 19.2円
- 夜間 0.4円×8時間(23時〜7時)=3.2円
で、これらを足すと22.4円。
時間別点灯では、冷蔵庫の電気代もかえって安くなりますので、心配はいりません。
各家電製品ごとの節電方法
以上の「契約アンペア」と「時間別点灯」は、電力会社との契約を見直すことで電気代を節約する方法です。
これだけで、年間数千円の節約になりますので、ぜひ取り組みましょう。
でももちろん、電気代を節約する方法は、契約を変えるだけではありません。
家電製品の使い方を変えることで、さらに大きく節約できます。
以下に家電製品ごとの節約方法をまとめました。
節電タップを利用しよう
家電製品の多くは、「待機電力」を使用します。
たとえばテレビは、電源スイッチをONにするとすぐに付くよう、待機電力を使用して常時回路を温めています。
この待機電力、電源スイッチをOFFにしても、コンセントを差し込んでいる限り使われます。
待機電力の電気代は、全体の1割を占めるといいますから、決してバカにできないですね?
待機電力を使わせないようにするためには、家電製品のコンセントを抜かなくてはいけません。
でも複数の家電製品のコンセントをいちいち抜くのは面倒ですね?
そこでおすすめなのが、「節電タップ」。
節電タップは、6個程度のコンセントを差し込むことができ、それらの待機電力をスイッチ1つでカットできます。
省エネタイプの家電製品に買い替える
家電製品が使用する電力量は、冷蔵庫なら冷蔵庫で同じものでも、最近発売されたものの方が消費電力は小さいです。
最近は「省エネタイプ」のものが続々発売されているからで、使用電力が半分以下のものもあります。
もし買い替え予定の家電製品があるのなら、省エネタイプの製品に早めに買い替えてしまいましょう。
その分、大幅な電気代の節約になります。
炊飯器は保温機能を使わない
炊飯器には保温機能がついています。
じつはこの保温機能、大量の電気を消費して、夜炊いたご飯を朝まで保温した場合、炊飯するのと同じくらいの電気代がかかります。
ですから炊飯器の保温機能は使用せず、残ったご飯はラップに詰めて冷凍庫に保存しましょう。
またそのほうが、保温するよりご飯の味もおいしいです。
エアコンの節電方法
エアコンはできる限り使わない
エアコンは、1時間で20円程度の電気代がかかります。
本当に我慢できなくなるまで、できるかぎり使わないのがおすすめです。
設定温度を見なおそう
冷房ならば設定温度が低いほど、暖房ならば設定温度が高いほど、エアコンの電気代は高くなります。
設定温度は、冷房なら28℃、暖房なら21℃がおすすめです。
設定温度が2℃ちがうと、15%の電気代を節約できます。
フィルターはまめに掃除
フィルターが汚れていると、エアコンの効率が悪くなり、電気代が余計にかかります。
最低でも1ヶ月に1回は、フィルターを掃除しましょう。
冷蔵庫の節電方法
扉をあける回数と時間を減らす
扉をあけると、冷蔵庫内の温度が上がり、それをふたたび元の温度に戻すために電気代がかかります。
扉をあける回数と時間は、できるだけ減らしましょう。
詰め込み過ぎない
冷蔵庫にものを詰め込み過ぎると、冷気が隅々まで行き渡らず、冷却効率が悪くなります。
冷蔵庫には、「70%」を目処に、物を入れましょう。
冷蔵庫の後ろには隙間をあけて
冷蔵庫の背面は、熱を放出するためにあります。
背面と壁とのすき間がないと、排熱ができなくなって冷却効率が下がります。
冷蔵庫の後ろには、かならず壁とのあいだに5cm程度の隙間をあけて設置しましょう。
季節で冷却温度を調節
冷蔵庫の冷却温度は、庫内のつまみで調節できます。
夏は強め、冬は弱めに調節し、必要以上に冷やし過ぎないようにしましょう。
テレビやパソコンの節電方法
ダラダラ見ない
テレビやパソコンは、1時間に3〜4円の電気代がかかります。
だらだら見ずに、見る時間を決めて、あとは消すようにしましょう。
明るさを調節する
テレビやパソコンは、画面が明るければ明るいほど電力を消費します。
見にくくない範囲で暗めに調節しておきましょう。