近距離で荷物量の少ない引っ越しなら、自力引っ越しができないものかと検討する人がいると思います。自力引っ越しは、自家用車で何往復もしてコツコツと運ぶものですが、積みきれない大きな荷物はレンタカーを借りることになるため、そのときに一気に運んだほうが手間もお金もかかりません。
自分の荷物を運ぶにはどんな車種が適しているか、予算も含めて比較検討してみてください。
引っ越しで人気の車種と料金相場
自力引っ越しで使われやすい代表的なレンタカーの車種を紹介します。当然大きなものほど料金は高くなります。すべての営業所に常備しているわけではないので、なるべく早く予約申し込みをしておきましょう。
2tトラック
2t標準キャブ標準デッキというタイプのトラックは、荷室は畳にして3畳強程度の広さがあります。乗車定員は3名なので、手伝いの人2人と同行できます。その分、横幅と長さがあり、ホイールベースが長くなるため荷物を積んだ時の安定性は良いのですが、小回りがききにくく内輪差に気をつける必要があります。慎重な運転を心がけてください。
以下の荷物量を見るとわかりますが、結構な荷物量が積めます。逆にこれ以上の積載量があると自力引っ越しはなかなかキツイのではないかと思われます。片道20km程度だと12時間借りたとしてガソリン代込みで13,000円程度です。
運べる荷物量の目安
冷蔵庫、洗濯機、テレビ、電子レンジ、パソコン、布団3組、ダンボールM20個、エアコン、洋服ダンス、整理ダンス、食器棚、3人掛けソファ、ダイニングテーブルセット
料金相場
6時間まで | 12時間まで | 24時間まで | 以降1日ごと | 超過料金 |
---|---|---|---|---|
7,560円 | 10,260円 | 12,960円 | 8,640円 | 1,620円/時 |
ハイエース
居住性があり、シートを倒すと荷室がたっぷりととれるハイエースバンは、古くから定番の人気があります。車高があり、サイドと後ろから荷物が出し入れできるのも便利です。これならたとえ移動中に荷崩れしても道路に荷物を散乱させる心配もなく、降雨時や降雪時も荷物が濡れないため安心です。普段の自家用車とそう変わらない運転ができると思います。片道20km程度だと12時間借りたとしてガソリン代込みで15,000円程度です。
運べる荷物量の目安
小型冷蔵庫、洗濯機、テレビ、パソコン、布団一組、ダンボールM10個
料金相場
6時間まで | 12時間まで | 24時間まで | 以降1日ごと | 超過料金 |
---|---|---|---|---|
9,720円 | 12,420円 | 14,580円 | 10,800円 | 2,160円/時 |
軽トラック
荷物が少ないなら高速料金やガソリン代など一番費用がかからない軽トラックがおすすめです。乗車定員は2人ですが、荷物が少量なら十分ではないでしょうか。小型で小回りがきき、軽快な走りの割にはパワーもあり運転もしやすいです。
オートマを選びたいなら、早めに予約しましょう。片道20km程度だと12時間借りたとしてガソリン代込みで8,000円程度です。
運べる荷物量の目安
小型冷蔵庫、洗濯機、テレビ、布団一組、電子レンジ、ダンボール10個
料金相場
6時間まで | 12時間まで | 24時間まで | 以降1日ごと | 超過料金 |
---|---|---|---|---|
5,400円 | 6,480円 | 8,640円 | 5,400円 | 1,080円/時 |
レンタカーで引っ越しする際の注意点
レンタカーを借りるときは無理のないスケジュールを組んで予約しましょう。引っ越しシーズンや、大型連休中などは、早い時期に予約で埋まってしまうこともあります。
以下に、レンタカーで引っ越しする場合の注意点を説明します。
オプション料金が必要なケースも
大手のレンタカー会社ならカーナビが標準装備の車種がほとんどですが、格安レンタカーといわれる会社では、カーナビをオプションで500円程度で借りることができます。慣れない道ならスマホのナビより、使い勝手の良いカーナビをおすすめします。
近距離なら問題ありませんが、中距離以上の引っ越しで、レンタカーを借りた場所まで返却することが難しい場合は、ワンウェイシステムで乗り捨てができる場合があります。
ただし、レンタカー会社や営業所、車種によっては乗り捨てができない場合もあるため、事前に必ず確認しておいてください。この乗り捨て料金は、距離によってはかなり予算を圧迫することになるため注意が必要です。
ちなみに、同一都道府県内の営業所に返却する場合は無料になることが多いですが、それよりも遠い営業所に返却する場合、たとえば東京の営業所で借りて神奈川県のどこかの営業所に返却すると、隣の県でも乗り捨て料金に4,000円強かかります。東京で借りて愛知県で返す場合は20,000円以上かかってしまいます。
マニュアル車が多い2tトラック
2tトラックや軽トラックでもオートマ車ならオートマ限定の免許で運転できます。しかし、比率で言えば圧倒的にマニュアル車よりは少なく、借りる営業所によっては用意されていない場合もあります。オートマ車を借りたいときは必ず早めに申し込んで、他の営業所から回送してもらうよう手配をしましょう。
事故を起こした場合はどうなる?
レンタカーを借りる際には上の表で示した料金の中に、基本的な補償が受けられる自動車保険料が含まれています。しかし、万一事故を起こしたときには対物補償や車両補償の免責額として5万円ずつの最大で10万円を払わなければなりません。
この免責額を無料にしたい場合は、オプションの免責補償制度に加入する必要があります。借りる車種によって1,000円から2,000円前後ですみますので、万一のためにも加入しておくと安心です。
雨が降った場合の対策が必要
平ボディのトラックを借りた場合、途中で雨が降ってきたとき、そのままでは荷物が濡れてしまいます。物によっては故障したりシミになったりすることもあり、何しろ布団を濡らすのは避けたいところです。雲行きが怪しい場合は、幌やシートとロープをレンタルして、雨が降る前にきっちりとガードすると良いでしょう。
慣れないとシートなどが風圧でズレてきて飛ばされる危険性があるため、レンタカー会社で正しいシートや幌の掛け方を教わっておきましょう。
場所によっては台車が必要なケースも
玄関先に車両が横付けできれば良いですが、少し離れた場所に駐車しなければならないときは、手で荷物を運ぶ時間が長ければ長いほど、疲労度が急速に倍増していきます。エレベーターから玄関までが遠い場合で、段差がなく真っ平らなところなら台車を借りると労力がかなり軽減されます。状況に応じてオプションで借りると良いでしょう。
人気のレンタカー業者
全国的に営業所が多いレンタカー会社なら、同一都道府県の場合はどこに返却しても乗り捨て料金がかからないため、店舗の数が多ければ安心です。トラックなどの貨物車両は乗用車ほど豊富に用意してない場合もあるため、引っ越ししたい日に借りられないようでは困ります。
乗り捨て料金もレンタカー会社により料金設定に違いがあるため、中距離以上の引っ越しをするなら必ず乗り捨て料金やレンタル料金、レンタル時間など総合的に調べてから利用するようにしましょう。
トヨタレンタカー
レンタカーの保有台数と店舗数1,200か所は日本一を誇り、借りる際にも返却する際にも出発地や目的地から近い場所に店舗があるのは何かと安心です。店舗数が多いとワンウェイシステムが有利になるだけでなく、同一都道府県に返却する場合は乗り捨て料金が無料になるため、レンタル時間を短くして安く利用することができます。
日産レンタカー
トヨタ同様メーカー系の子会社がレンタカー事業部門を運営していて、全国に約360か所の拠点を持ちます。利用する30日前までにweb予約でクレジット決済を選ぶと早トクレンタカーの適用になり、最大では47%もの割引になります。
ニッポンレンタカー
国内の営業拠点は857か所、レンタカーの保有台数は30,200台の、レンタカー会社の老舗ともいえる会社です。24時間営業の店舗も多く、早朝や深夜の利用でも安心です。昼以降のレンタルが割引になるプランや、他のレンタカー会社では見られない燃料代込みで3時間の短時間レンタルも人気です。
オリックスレンタカー
全国1,040か所に店舗があり、レンタル料金が全体的に安い印象です。また、補償面なども手厚く免責補償制度はもちろんのこと、安心パックに加入することで超過一時間まで無料、予約よりも早い時間の返却では差額全額返金など嬉しいサービスもあります。
まとめ
引っ越しで使う車両は、自分の荷物量を把握して適した車種を選びましょう。文中の積載できる荷物量などを参考にしてください。しかし、無駄なくきっちりと積み重ねることができるものなら良いですが、壊れ物が多い場合は積み重ねることができないものもあります。
不安ならレンタカー会社で、家財リストなどを提示の上、相談してみることをおすすめします。たいていは、大きい方が安心だとすすめられることが多いとは思いますが。表の車種と使用時間と料金を参考に、また乗車する人数などを考え合わせた上、最適な車種を検討してみてください。
※文中の料金はすべて2017年11月1日時点の税込料金です。