引っ越しの際は、自分がどのように引っ越し先まで移動するかを考えておく必要があります。車やバイクを運転するのか、公共の交通機関で移動するのか、それによっては早めにチケットの手配をしなくてはなりません。
ただし、車とバイクが両方ある場合や、長距離の運転、降雪の心配などがあれば無理して運転する必要もないでしょう。以下にバイクや車の引っ越しについて説明します。
バイクや車を持って行く場合の料金相場
バイクや車を引っ越し先まで運ぶ方法は、引っ越し業者の車両輸送のオプションサービスを利用する、車両輸送の専門業者に自分で依頼する、引っ越し先まで自分で運転する、という3通りが考えられます。それぞれの場合にかかる料金の目安を紹介します。
業者に依頼するケース
車やバイクは専用のキャリアカーで陸送したり、港が近ければカーフェリーで輸送したり、業者のドライバーが運転して運んだり、とさまざまなケースがあります。
高級外車やキャンピングカー、改造車や車高が高いものは運んでもらえないことがあります。所要日数なども考慮の上、早いうちに運んでもらうか、ギリギリまで乗るか、今後の予定を考えて依頼しましょう。
引っ越し業者の料金の相場
引っ越し業者では多くの業者がオプションサービスとして車やバイクの陸送を引き受けています。しかし、ほとんどの引っ越し業者が車両輸送の専門業者に委託して、引っ越しの家財とは別に運送する方法を取っています。
なかには引っ越し業者の作業員が、引っ越しトラックの後ろを運転して着いて行くケースもあるようです。荷物の積み下ろしの他に長距離の運転なんて、なかなか大変そうですね。ちなみに東京から大阪まで車の陸送の参考料金は、20,000円弱から40,000円強と、かなりの幅が見られました。それには、かかる所要日数や陸送か船便かなどの違いがあるようです。
バイクの場合はもっと安く運べると思いがちですが、都内の移動でも10,000円から30,000円かかりますので、バイクの大きさや輸送方法によりかなり異なると見てください。あくまでも料金の一例ですが、東京から大阪までのバイク輸送は小型で40,000円前後、中型で50,000円前後、大型だと60,000円前後となっています。
ただし、引っ越し業者と提携している輸送業者なら、個人的に依頼するよりは料金設定を安くしている場合もあるため、引っ越し業者が中間マージンを多く取らなければそちらの方が安い場合もあります。
バイクや車輸送の専門業者の料金相場
専用の大きなキャリアカーを所有している専門業者や、小さなトラックに転倒防止の器具を取り付けて運搬する業者など企業規模に応じてさまざまです。多い台数を一気に運べば輸送料金も安くなると思いがちですが、立派な専用車両の維持費などもかかっているため、一概にどちらが安いとは言えません。
また、幹線ルートの各営業拠点に届けて、そこから先のローカルルートは自走するため距離が長ければ高く付くこともあるかもしれません。専門業者に依頼する際は、輸送方法や所要日数、万一の際の補償内容まで詳しく聞いてから、何社かに見積もりを依頼すると良いでしょう。
東京から大阪までの車を輸送した場合の料金例は30,000円弱から60,000円程度になります。また、距離ではなく、かかる所要時間で算出するところもあり、輸送時間が5から10時間かかる場合は、料金が30,000円から100,000円という料金例もあり、あまり参考にはならないため、自分の場合はどうなのか業者に問い合わせてみましょう。
自分で運転していくケース
バイクで高速道路を長時間運転するのは精神的にも肉体的にもかなりキツイものですが、念のため高速道路利用で自分で運転していくケースを想定してかかる料金を算出してみました。高速道路料金は軽自動車と同じ区分になります。
区間によって、ETC利用の土曜割引、休日割引、深夜早朝割引などがあります。また、燃費は車種や年式、排気量、運転方法によりかなり異なるため、ここでは標準的な燃費で算出したガソリン代を紹介します。
東京〜名古屋
車だとノンストップで4時間30分前後です。有料道路代は平日昼間の料金でバイクと軽自動車が7,530円、ETC割引なら6,970円、普通自動車が9,150円、ETC割引なら8,450円です。ガソリン代は燃費14.15km/L平均ガソリン価格130.6円として3,233円程度です。
東京〜大阪
車だとノンストップで6時間前後です。有料道路代は平日昼間の料金でバイクと軽自動車が10,960円、ETC割引なら9,790円、普通自動車が、13,500円、ETC割引なら12,010円です。ガソリン代は燃費14.15km/L平均ガソリン価格130.6円として4,650円程度です。
東京〜福岡
車だとノンストップで13時間前後です。有料道路代は平日昼間の料金でバイクと軽自動車が19,590円、ETC割引なら18,790円、普通自動車が、24,320円、ETC割引なら23,100円です。ガソリン代は燃費14.15km/L平均ガソリン価格130.6円として10,090円程度です。
バイクや車を持って行く際の注意点
引っ越し先で今のバイクや車を、あとどのくらい乗り続けるつもりなのか考えてみましょう。駐車場が狭いからもっと小型の車に買い換えれば良かったとか、バイクの駐輪場が自宅から離れてしまったので乗る機会が減った、という声があります。それでは、せっかく高い輸送料を払って運んだ意味がありません。それらを考慮の上、本当に持って行く必要がある時だけ持って行くことにしましょう。
業者に依頼する場合はガソリンを抜いておく
ガソリンは言うまでもありませんが危険物です。引っ越し業者に石油ストーブを運んでもらう場合は灯油を抜いておくのと同じで、原付きバイクを家財と一緒にトラックに載せて運んでもらう場合は、必ず事前にガソリンを抜いておかなければなりません。
自分でガソリンを抜けないの?
ガソリンの給油口からポンプを挿して吸い取ることは、今の車では盗難防止の措置が施されているためできないようになっています。他にやり方はあるのですが、使う道具や着ている服などで静電気が起きてガソリンに引火したら大変なことになります。
危険物取り扱いの資格がない人が、その辺で簡単にできると思わないほうが良いです。わざわざ危険を冒して万一ケガや火傷を負った場合に、保険会社の補償の対象となるかどうかは定かではありません。
ガソリンを抜く前に再確認
無難な方法は輸送会社に任せるか、ガソリンスタンドに持ち込んで抜いてもらうか、ドライブしてガソリンを使い切るかしてください。
ただし、運送業者により考えが異なり、自走区間がある輸送方法の場合は、バイクでも車でも特にガソリンを抜かなくても良い場合があったり、必要最小限のガソリンを入れておく場合もあるため、必ず事前に確認しておくと安心です。
運転していく場合は適度な仮眠も必要
自分で運転して行くと決めたなら、過密なスケジュールで運転し続けないように、必ず要所要所で休憩を取ったり、運転を代わってもらったりしてください。輸送後、すぐにゆっくり休める環境がある場合は別として、そうでない場合は現地に着いたところで、布団も何もないところでは仮眠をとることもできません。
SAや道の駅などでは仮眠を取ったり、シャワーを浴びたりする施設を設けているところもあります。また、スーパー銭湯などでは仮眠のための休憩スペースなどもあるので、積極的に活用しましょう。
疲れているときは無理して先を急ごうとせず、仮眠や休憩を取ってリフレッシュしてから運転を続けてください。自分のためだけではなく、周囲で運転している他人のためにもです。
不要で処分したい場合は?
引っ越し先の駐輪場や駐車場事情が悪い場合や、月極駐車場が近くにない場合は、バイクや車を持って行っても、かえって持て余してしまうこともあるようです。しかも、乗る機会が減ったのに税金や保険料や駐車場代などの維持費を払い続けるのは考えものです。
バイクや車の輸送にもかなりの金額がかかりますし、そこまでして運びたいと思わないなら引っ越し前に処分をして、引っ越し先で買い換える方法もあります。古く燃費の悪い車に乗るよりは、長い目で見れば少しでも新しいものに買い替えた方が得になることもあります。
処分する方法
車のディーラーや販売店に持ち込めば廃車手続きを行なってもらえますが、よほど営業マンと親しくしていない限り、無料という訳にはいかないでしょう。たいていは解体費用や運輸局の自動車登録抹消の手続きなどの書類作成費用などが生じます。
処分費用の目安
解体や引き取りのレッカー費用などがかかるほか、自動車リサイクル法に沿った正しい処分の仕方と手続きが必要です。車の永久抹消、つまり廃車にする場合は、車体引取費用、リサイクル料金、車体解体費用、書類作成費用などで10,000円から50,000円程度かかります。
バイクの廃車処分にしても排気量で異なりますが、だいたい10,000円から30,000円強はかかる計算になります。
処分費用がかかるなら査定に出してみよう
まだまだ十分に乗れるバイクや車は、廃車にしてスクラップにしようなどとは思わないでしょう。買取業者に買い取ってもらうのがおすすめです。ある買取業者では査定額がゼロの車でも、何店か回って最終的に20,000円で買い取ってもらった例もあります。
1か所の見積もりだけでは不十分です。必ず何店舗か回ってみて条件の良いところに買い取ってもらうのが一番です。もし、査定額ゼロ円でも廃車費用がかかるなら、無料で引き取ってもらった方がまだ節約になります。
ただし、近隣に何店舗もない場合は、引っ越し前の忙しい時にあちこちに遠出をしてまで見積もりに回ることはしないかもしれません。そんなとき、無料一括査定サイトがおすすめです。
まずはバイクであれば、メーカー、排気量、車種と必要事項を入力するだけで、査定額の高い買取業者がわかります。とりあえずさまざまなバイクの買取情報や買取価格が参考になりますので見てみると良いでしょう。
もちろん、車の無料一括査定もあります。車の査定額も店舗ごとにかなりの差が出てきます。そのときの店舗の在庫状況や購買層などの人気の有無によっても影響があるのかもしれません。できるだけ良い条件で売却したいなら、より多くの店舗の見積もりを取ることが望ましいですが、そこに何日も時間を割くわけにはいかないでしょう。
それなら、やはり一括査定で見積もってもらうのが手っ取り早い方法です。自分の車がだいたいどの程度の値がつくのか試してみてから処分を決めるのでも良いと思います。
まとめ
引っ越しは何かとお金がかかるものです。バイクや車を持って行くにしても、ついつい引っ越し業者にすべてを任せがちですが、他に安い車両輸送専門の業者が見つかれば依頼するのも良いと思います。ですが、あまり料金的に違いがなければ、やはり手間暇のかからない引っ越し業者に一括して依頼したほうが何かと便利です。
依頼する際は念のためガソリンを抜く必要があるのかどうかを聞いておいてください。
※内容および金額はすべて執筆時のものです。