家電(テレビ、パソコンなど)の荷造りと映らない時の対処法

引っ越し業者に依頼して荷物を運んでもらうなら、テレビやデスクトップパソコンなどの機器は引っ越し当日に業者が丁寧に梱包をして運んでくれます。自力引っ越しで運ぶ際は、最大限に気を遣って運ぶべきものの代表的な家財です。丁寧な梱包をして運んでください。
以下に、テレビやパソコンの荷造り方法と設置後のトラブルなどについて説明します。

家電の荷造り

購入時の箱と発泡スチロールなどの緩衝材がセットで残っているなら、それ以上に最適な資材は他に見つかりません。しかし、そんな状態で梱包資材を購入時のまま残している人は稀でしょう。テレビやパソコンのような精密機器を運ぶには、いかに購入時にダンボール箱に入れられていた状態に近づけられるかがポイントです。

テレビ

購入時の梱包の様子は、厚めのしっかりしたダンボールの四隅に発泡スチロールを当てて、中でグラグラと動かないように固定されていたはずです。液晶画面はホコリよけの薄いフィルムカバーで覆われ、大きめの気泡緩衝材で包まれていたと思います。テレビのスタンドは最初から付いていたか、あとから組み立てるようになっているかどちらかです。

中には、画面の大きさに対してスタンド部分が弱いものもあり、移動の際に破損しやすいものがあります。要は、運搬途中にスタンドが壊れたり画面が割れたりしないように十分に気をつけた梱包をすれば、まず問題ありません。

テレビ梱包用の資材セットを活用

インターネットの通販サイトなどでは、薄型テレビを送るための梱包用キットが販売されています。ダンボール、仕切部材、クッションキットなど60kg相当の重さに耐えられる32型テレビの梱包資材が2,000円前後で入手できます。

あちこちに出向いて交通費をかけて自分で資材を揃えなければならない人は、必要なもの全てを自宅まで安価に届けてくれるため便利です。しかし、発送地が遠くサイズの大きいものは梱包資材の発送料が高くなるため気を付けましょう。

手持ちの物で荷造りする場合は

テレビは振動や衝撃にも弱いですが、ホコリからも守らなければなりません。液晶画面や端子部のホコリ避けのため大きなビニール袋をかぶせたりラップなどで覆ってもよいでしょう。

その後、あればエアーキャップなどの気泡緩衝材を画面に貼ったり巻いたりしても良いですし、古毛布やバスタオル、クッションや長座布団などで保護します。液晶画面にはファスナーやボタンなどの金具が当たらないようにしてください。保護した資材が運搬途中にずれないように、引っ越し用養生テープやひもで結んで固定します。

スタンド部分は、長く荷台で揺られ続けることになっても、横や前後に傾いてグラグラしないように、発泡スチロールブロックやクレーンゲーム機の小さなぬいぐるみ、タオルを巻いて高さを合わせたりするなど、傷をつけないもので工夫をして支えておくと良いでしょう。

そのままでは不安なためダンボールを切り開いて加工してガムテープでつなぎ合わせ、箱状にして中にテレビを収めたい人もいますが、逆に持ちづらくなる場合もあります。ずれないようにひもを掛けるなどして持ちやすいように工夫しましょう。

テレビの運搬と積み込み

運搬の際には、衝撃を加えない、そっと置く、滑り止めの軍手をする、などしてくれぐれも最大限の注意を払って運搬してください。

安定性が悪いですが、荷台に積むときは横に寝かせることはせず真っ直ぐに立てて、単体では置かず、突起などのない平面の家具の間にうまく収めるようにして間にクッションなどを挟むと安心です。必要に応じてバンドやロープで動かないように固定させてください。

パソコン

パソコンも、モニター画面と記憶装置のディスク部分に衝撃を与えないように運ばなければなりません。ノートパソコンは、しっかりとしたパソコンバッグやケースに入れると安心です。デスクトップパソコンやプリンターは、引っ越し業者が手早く梱包して荷造りしてくれます。

まずはデータのバックアップを

梱包の前に、まずは必ずバックアップを取ることは忘れないでください。万一本体内のシステムやデータが消えても、バックアップと起動ディスクがあれば復帰できます。引っ越し業者の保険は中身のデータまでは補償対象になっていません。

自分で梱包する場合は

これもテレビ同様、液晶画面を保護しディスクドライブをホコリと衝撃から守ることです。通販サイトでは、硬材質ダンボールとクッション材、天底パットなどのセットが2,000円前後から販売されています。空気がたっぷり充填された緩衝材などさまざまな気泡緩衝材もあるので、用途に応じてまとめて注文しても良いですね。

タワー型のパソコンはぐらつかないように、テレビのスタンド部分と同様に保護をして両端の下部に高さを揃えたものを噛ませて固定しておくと良いでしょう。

パソコンの積み込み

ダンボールの中に収めなくても、車の助手席に毛布やクッションなどであて布をしてシートベルトで押さえる方法もあります。急ブレーキ時などでもずれて飛び出さないように固定してください。トラックの荷台に置く際にも、他の荷物と接する場所は避けて間に柔らかいクッションや枕など厚めの弾力性のあるものを挟むと良いでしょう。

引っ越し後のトラブル対処法

引っ越しの運搬で破損がなく無事に設置できたら、念のためその場ですぐに問題なく使えるかどうか電源を入れて確かめておきましょう。

テレビが映らない時のチェック項目

テレビの電源が入り、テレビ番組が問題なく映るか確かめます。

B-CASカードは正しくセットしていますか?

テレビ画面横や裏のB-CASカードという硬いカード状のものが正しく挿入されているか確かめてください。

電源が入る状態になっていますか?

テレビの電源コードをコンセントに指します。

テレビアンテナ線が正しく接続されていますか?

テレビアンテナ線のプラグの中心の芯線が曲がっていないことを確認して、真っ直ぐに壁のUHF端子に接続してください。

主電源のスイッチは入れましたか?

テレビの主電源を入れます。電源が入ったことを表すランプが点いたら準備は成功です。
普段、リモコンの操作でオンオフを切り換えているため、主電源はずっと触ったことがなかったという人がいます。主電源のスイッチを入れないと、リモコン操作ができないため、まずはここから確かめましょう。

アナログやCSなどが選ばれていませんか?

リモコンで地デジに設定してチャンネルを切り換えてみましょう。

入力がビデオやHDMIになっていませんか?

チャンネルボタンを押してテレビ放送が映るか確かめます。ビデオ入力やHDMI入力画面になっているとテレビ放送は映りません。必ず入力切換で「テレビ」にしておきましょう。

チャンネル設定の地域が合っていますか?

映るチャンネルと映らないチャンネルがある、今までとチャンネルが違い違和感がある、という現象は引っ越し先の地方が変わった場合によくあります。それもそのはず。全国的にNHK総合が1チャンネルとは限らないからです。北海道や愛知、福井や福岡など12の道県は3チャンネルになっています。

そのため、地域に合わせたチャンネルの受信設定が必要になります。詳しくはテレビの取扱説明書を見るか、リモコンのメニューなどから地域設定などで探してみてください。たいてい、地域の都道府県名か郵便番号を入力すれば自動で設定してくれますので簡単です。

建物がケーブルテレビに加入していませんか?

集合住宅でケーブルテレビを利用している場合は、管理組合やケーブルテレビ局に問い合わせてみましょう。受信契約をすませないと見られない場合もあるようです。

それでも映らない場合は、取扱説明書やインターネットのメーカーの公式ホームページのよくある質問などで「テレビが映らない」と検索をして、原因と対処法を探してみてください。どうしても手におえない場合は、テレビのメーカーのサポート窓口に電話をして相談してみましょう。

パソコンが繋がらない時のチェック項目

パソコンは引っ越し後、電源を入れるだけなら比較的簡単に起動できるはずです。一体型なら電源コードをコンセントに差し込むだけです。

無線LANやルーターがあることで難しく感じるようですが、設置の説明書に沿って順番に進めればインターネットに繋ぐことができます。回線の開通とプロバイダーの移転がすんでいれば即インターネットにつなげるはずです。

まず、パソコン、モデム、ルーターなどの機器の説明書を確認しましょう。図には、端子部分の名称と場所が大きく示されています。機器間の接続は図に示されるとおりに出力と入力などを間違わなければ接続は簡単です。

取扱説明書が手元にない、パソコンがインターネットに繋がらないためweb検索もできない、などお手上げのときは、スマホで検索するか、電話をかけて接続手順を聞くことができます。

パソコンのメーカーでも、電話回線業者でも、ルーターのメーカーでも、親切に教えてもらえます。どこか電話が繋がりやすいところにフリーダイヤルで問い合わせると良いでしょう。

ケーブル類の接続に自信がないときは、引っ越し前にそれぞれのケーブルの両端に数字を書いたラベルシールなどを貼って、パソコン本体やルーターなどにも対応する数字を書いたシールやテープを貼って、接続する時の目印にしましょう。念のためスマホなどで写真を保存しておくと安心です。

ケーブルが接続できたのに、どうしてもWi-Fi接続でインターネットにつなげない場合は、LANケーブルでパソコンのLAN端子をルーターなどの端子に直接繋いで有線LANとしてインターネットにつなぐ方法もあります。そこでインターネットでトラブルやよくある質問などを参照して正しくWi-Fi接続などを行なってください。

精密機器を安全に運ぶ裏ワザ

宅配便を扱う運送会社では、テレビ一点から丁寧に梱包して運んでもらえ、新居で開梱して設置までしてくれるサービスがあります。パソコンやプリンターも同様で、安全に運んでもらえます。自分で運ぶときと違い、万が一の際には保険から補償もきくので安心です。ただし、中身のデータに関しては保証の対象外になるため事前のバックアップは必須です。

また、梱包をしてもらう際は、配線をすべて外して置かなければなりません。接続サービスをオプションで頼みたい場合は、営業所に相談してみてください。すべての配線をやってもらうことになったら、配線は外さずにそのままの状態で依頼してください。

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