急な転勤、住居の被災、DVやストーカー対策など、大至急引っ越しをしなければならないケースがあります。
通常の引っ越しではどんなに急いでも3日程度の余裕を見て進めることが多いですが、当日の引っ越しに対応してくれる引っ越し業者はあるのでしょうか。
急な引っ越しでの業者の探し方、当日引っ越しでの注意点などについて紹介します。
当日に引っ越しするには?
限られた時間の中で引っ越しを遂行するためには、即日対応の引っ越し業者を見つけることから始めなければなりません。インターネットで検索して一社ずつホームページの内容をよく確認して安くて良さそうな業者を……という悠長な探し方では時間が無駄になってしまいます。
そんな優良業者が見つかったところで、トラックが満車と言われてしまってはどうしようもありません。一刻を争う引っ越しでは、他の条件はさておき、とにかく業者を見つけることを最優先してください。
とにかく引っ越し業者に電話する
気が焦っているときにインターネットからの見積もり依頼で個人情報を入力して、家財リストにチェックを入れて、なんて慣れないサイトで入力に時間をかけるくらいなら、まずは片っ端から引っ越し業者に電話してみましょう。協力者がいるなら、ぜひ手分けして電話をかけまくってください。
開口一番「今日の引っ越しができるかどうか」に的を絞って問い合わせましょう。すでにスケジュールがいっぱいで対応できなければ「できません」と言われるので、余計に時間を取られることもありません。少しでも可能性があれば「どこまでですか」、「部屋数は、引っ越し人数は」と尋ねられるので答えてください。
問い合わせる順序としては、トラックの保有台数とスタッフ人数が多い大手の引っ越し業者から当たると良いでしょう。見つけられなければ地元の地域密着業者、隣接市町村の密着業者と範囲を広げて次々に当たってみましょう。
なかなか見つけられないという場合は、一括見積もりサイトで一斉に多くの業者に問い合わせてみるのも良いでしょう。引っ越し希望日が直近で2日後に設定されているものもありますので当日を指定できるサイトを利用しましょう。
どうしても引き受けてくれる業者が見つからない、ワケあり引っ越しのため秘密裏に進めたい、という場合はインターネットで「地名 即日 引っ越し ワケあり」などで検索してみてください。通常の引っ越し業者に頼むより料金が高くなってしまうかもしれませんが、急な引っ越しを得意とアピールしている業者なら頼りになるかと思います。
荷造りは業者に依頼する
少量の荷物ですでにほぼ荷造りができている状態なら心配ありませんが、何もかもこれからやらなければならない、というのでは引き受ける側の業者も躊躇してしまうでしょう。
本人が即日引っ越しする気満々でも、はたして本当にできるのかどうか、トラックで駆けつけても荷造りが終了するまでかなり待たされるのではないか、などのさまざまなリスクを懸念し、通常より高い見積もりになってしまうことはあるでしょう。
それならむしろ、最初から荷造りのプロによる梱包おまかせプランを選ぶことをおすすめします。本来なら梱包専門の女性スタッフが荷造りすることが多いですが、人材の確保ができなかったときなどは、引っ越し作業の男性スタッフで対応することもあります。
それでも荷造りに慣れない依頼者が慌ててやるよりも、引っ越しをよく知るプロが何人かで手分けして荷造りした方がずっと早いです。その点も考え合わせると、やはり業者を探す順番はオプションの梱包プランがある大手の有名引っ越し業者からというのは理に適っています。
当日引っ越しする際の注意点
急ぎの引っ越しでは、引っ越しやることリストなどで紹介されている手続き関係はほぼできません。あれもこれもと欲張らずに、優先順位を決めて行動するのみです。
しかし、その優先順位もそれぞれの事情により異なります。とにかく住居に置いてあるものを空にしなければならないのか、必要最低限の家財だけ運べば良いのか、遠方の引っ越しでもう二度と戻るつもりがないのか、などの理由によりやるべきことの優先順位は変わるでしょう。
自分はどうしたいのか、今後どうするつもりなのかを考えてから、効率よく進めるしかありません。
最低限やっておきたい手続き
取り急ぎやっておきたいことは、ライフラインの手続きです。引っ越し先の新居では、水道は止水栓を開ければ水を使うことはできます。
電気は、従来のアナログメーターならブレーカーのスイッチを入れるだけで電気は点きますが、スマートメーターに切り替えている住居では電気の供給をストップしていることもあるため電力会社に使用開始の連絡が必要になります。
また、ガスの開栓手続きでは、必ずガス会社の担当者立ち会いのもと、ガス器具を接続して安全に使用できるかどうかを確認した上でないと使うことができません。
現住居では使用停止の手続きをしなければ、電気、ガス、水道を何一つ使っていなくても、基本料金は延々と支払っていくことになります。引っ越し元のライフラインの使用停止と、引っ越し先の使用開始の手続きはやっておきましょう。
検針票や領収書などに書かれている電話番号に電話をかけ、お客様番号と契約者氏名、住所や電話番号と解約日を伝えるだけですぐに終わります。
自分だけが引っ越すのなら不要ですが、賃貸物件を引き払う時は不動産管理会社に退去の手続きも必要です。本来なら解約予告は退去日の一か月前には申し出ることと決められていることが多いですが、急な話では致し方ありません。丁重に事情を説明して今後の手続きについて相談しましょう。
転勤、離婚や別居での急な引っ越しでの注意点
会社の辞令による転勤なら、引っ越し料金は会社持ちのことがほとんどでしょう。通常なら引っ越し業者何社かの相見積もりを提出し、会社指定の業者に決まることが多いと思いますが、急な引っ越しの場合の業者選定の流れがどうなっているか確認すべきです。
本当に急ぐときには、何社も見積もりを取れないこともあるからです。突然の引っ越しなら、梱包プランを利用するしかない場合もありますが、日程に余裕のある引っ越しでは、会社によっては梱包プランの費用を負担してくれないところもあるため、事前にきちんと確認しておきましょう。
離婚や別居による引っ越しで先に出て行く側は、今の住居の家財全てを運ぶことにはなりません。共有の財産である家具や電化製品などをどちらが持って行くかをあらかじめ決めておく必要があります。引っ越し業者にきちんと運ぶものと運ばないものを指示できないと、あとからトラブルになる可能性があります。
しかし、急ぎの引っ越しでは多くの場合そこまで話が進んでおらず、相手が不在の間に出るしかないということになりがちです。何時から何時までの間に引っ越しを完了させたいという計画を事前に引っ越し業者に伝え、その時間に合わせて運んでもらうものを厳選する必要があります。
近所の人目を避けたい、どこの引っ越し業者を使ったか分からないように社名の入っていないトラックで来てほしい、引っ越ししたことも知られたくない、などの場合は、ワケあり引っ越しが得意な業者に依頼しましょう。
引っ越しスタッフもそうとわからないように、作業服を着ることなく私服で友人のふりをして、引っ越しとわからない車両を用意してくれます。もし、大型の家具や電化製品が少しだけで、あとは身の回り品だけ持ち出したいというなら、宅配便を利用して荷物を送ることもできます。大型家財の配送を1点から送れる宅配サービスもあるので検討してみましょう。
まとめ
急な引っ越しでは、荷物量が少なければ少ないほど即日で安く引っ越せる可能性は高くなります。現住居から荷物を運び出すことが目的というなら、引っ越し業者の荷物一時預かりサービスでとりあえず運び出してしまう方法もあります。一気にではなく何日かに分けた引っ越しができるなら、そのほうが引っ越し業者が見つかる確率も高くなるでしょう。
とにかく、急ぎの引っ越しで自分の希望が何もかも思い通りになることは滅多にありません。それほどリスクの高い引っ越しであることは覚悟しておきましょう。事情が許す限り日延べしたほうが、よりまともな引っ越しができることは言うまでもありません。