引っ越し料金は階数やエレベーターの有無でいくら変わる?

引っ越し料金はエレベーターの有無で変わってきますが、実際どの程度変わるのでしょうか?

今回は、エレベーターの有無や建物の階数による引っ越し料金の違いについて解説しているので、参考にしてください。

エレベーターがないと引っ越し料金は高くなるの?

階段を使うということは、ダンボール箱をいくつもカートなどに載せて運ぶことができませんから、それだけ作業員はダンボールを持って往復しなければいけません。当然時間もかかりますし、作業員の人数も必要です。単純に作業員の人数×時給で考えても高くなります。

もう一つ、忘れてならないのが物損です。

正規の引っ越し会社なら万一の事故に備えて保険に加入していますが、手で運ぶと家電製品などを落として壊してしまったり、壁や階段に傷をつけてしまう可能性がどうしても高くなるので、そのリスクの分だけ料金に上乗せされてきます。

「階段料金」は存在するのか

結論から言えば、「階段料金」は存在します。

宅配便程度ならたとえ何階でも階段で引き取りに来てくれますが、たとえば冷蔵庫や洗濯機など大型家電を買ったときや、大物の廃品回収を頼んだ時に、エレベーターなし、3階以上の場合には数千円程度の階段料金があったという経験がある人も多いでしょう。

引っ越しも同じです。

「階段料金」の相場は?

エレベーターがない場合、2階は「階段料金」を請求する業者としない業者がありますが、3階以上は請求されるケースが多くなります。相場は1階上がるごとに1,0000円から2,000円程度でしょう。

ここで気を付けなければいけないのがこの「階段料金」は旧居にも新居にも適用されるということです。

2階から階段料金を請求する業者で、2階の部屋から3階の部屋に引っ越す場合、「階段料金」が1階ごとに1,500円加算されるシステムだとすると、旧居で1,500円、新居で3,000円で合計4,500円が「階段料金」としてかかることになります。

そう考えてみると、高層階から高層階への引っ越して両方の建物にエレベーターがないと、1万円以上高くなる可能性もあるということですね。

エレベーターなし建物の強い味方とは

エレベーターがない建物でも、ある程度の追加料金を支払えば引っ越しはできます。いろいろと思い悩むのであれば、お金を少し払ったらすむならそのほうが時間も有効に使えるし、精神衛生上もいいに決まっています。

しかしながら、いくらお金を払うからと言っても物理的に階段のみを使っての引っ越しが難しいケースがあります。それは大型家具が物理的に階段を通らない場合です。

引っ越し業者はプロですから、素人目には難しいのではないかと思うような狭い階段も踊り場も神業のような切り返しで大きい家具でも通してしまいますが、中にはそんなプロでも階段を手作業ではお手上げになることもあります。

そんな場合はどうしたらいいのでしょうか?

クレーン作業で入れる

最近は一戸建てでも狭小な住宅が増えているせいか、二階部分にリビングダイニングやキッチンを設けるケースが多く、大きな冷蔵庫やピアノなどが階段を通れないこともあります。

そういう時にはロープで吊るして掃き出し窓から家の中に運び込むクレーン作業が必要になります。大手の引っ越し業者であれば、たいていはクレーン作業にも対応しており、熟練のスタッフが上手に運び入れてくれるはずです。

しかしながら、人間のやることですから事故が起きないとも限りません。なるべく家具や壁を傷つけないよう用心の上に用心、養生の上に養生を重ねて作業をしてくれますが、家具や壁を傷つけてしまうおそれもあります。

また、当然のことながらクレーン作業は天候に左右されます。ひどい雨や風の中の作業は危険性が増すため、当日になってできないということもないとは言えません。

クレーン使用の場合の料金は?

2階の部屋にクレーンでベランダの掃き出し窓から2、3点の大型家具を運び入れる場合、おおよその目安として引っ越し料金プラス1万円から3万円程度上乗せされるのは覚悟してください。

これがさらに階数が上がると、1階あたり5,000円くらいずつ上がっていきます。荷物の点数が増えても同様です。

意外とお金がかかってしまうと躊躇している人は、いくつかの会社でまとめて見積もりをとってみましょう。というのも、その日にクレーンがあいていれば安くしてくれるかもしれないからです。

さらに安心の昇降機も

クレーンは便利ですが、やはり一抹の不安がある場合は、引っ越し用の昇降機を持っている業者にお願いしたらいいかもしれません。大手の引っ越し業者の中には、自前で昇降機を用意しているところもあり、「フライングデッキ」、「スーパーデッキ」などと呼ばれていますが、要するにある程度の広さがあるリフトです。

垂直に上がるものや7〜8階建てくらいまでならいけるものなど、さまざまな種類がある昇降機は、作業員の負担や危険性を大きく減らしてくれるので、引っ越し時間の短縮にも直結します。

まず昇降機を自前で持っている業者はあまり多くないので、使ってほしい場合はネットの一括見積もりサイトにその旨を記入して見積もりをとればいいでしょう。一つ一つ電話して聞くのは大変ですからね。

気になるお値段ですが、これは時期と交渉の腕によります。利用無料キャンペーンなどで昇降機の使用料を別途に請求しない場合もありますから、聞いてみましょう。

ちなみに昇降機を自前で持っているのは大手業者に限られると思います。その他の業者でもレンタルで昇降機を借りてもらうことも相談によってはできますが、2万円から6万円程度のレンタル料は覚悟してください。

基本は人力勝負

クレーンや昇降機は大型家具の搬入、搬出に必要とされるもので、引っ越しの基本は人力です。また、ある程度のスペースがなければクレーンや昇降機などの機材を入れることはできませんし、天候にも左右されます。

正直なことを言えば、引っ越し業者の作業員も「エレベーターなし」と言われると「いやだなあ」と思うのは仕方ありません。人間ですからね。

気持ちよく引っ越し作業をしてもらうために、必ずしも必要ではありませんが心づけを用意して作業前に渡すのもいいかもしれません。また、暑い夏場には疲れから集中力が切れて事故が起きる可能性を少しでも減らすために冷たい飲み物の差し入れも有効でしょう。

エレベーターなし物件は損?

「階段料金」が生じてしまうから、エレベーターがない建物なら引っ越し料金の節約のためにやめておこう、と考えてしまう人もいるかもしれません。

確かに考え方によりますが、引っ越しは入居の際と退居の際の2回だけです。その2回のためにせっかく気に入った部屋に巡り合ったのにあきらめてしまうのはもったいないのではないでしょうか。

実際に4階以上でエレベーターがない物件は築年数が古いことも多く、人気薄になっています。

しかし、建物の持ち主の大家としてみれば入居者が入らないのは一番困ることですから、こういった部屋は費用をかけてリノベーションして最新の機器を設置していたり、あるいは狭い2部屋の壁をぶち抜いて広々とした間取りにしていたり、手をかけていることが多いものです。

また、眺めや風通しが良かったり通りから部屋の中を覗かれる心配がなかったり、高層階ならではのメリットもあります。

引っ越しのことだけにとらわれず、その先の住み心地まで考えて部屋を選びましょう。そして、引っ越し料金は交渉次第でかなり値引きされることもあるので、ネットの一括見積もりサイトを上手に使えば、思ったよりかなり安く引っ越しができると思います。

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