引っ越し業者のオプションサービスは、引っ越し当日だけではなく、引っ越し前や引っ越し後の生活に関することまで、幅広くさまざまなサービスを展開しています。その一つに荷物の一時預かりサービスがあります。サービスの内容と料金を紹介しますので、業者を選ぶ時の参考にしてください。
業者の一時保管サービスとは
全ての引っ越し業者で扱っているオプションサービスではありません。各業者によってもサービス内容にかなりの違いが見られるため、あらかじめ概要を知っておけば業者の選定に悩むこともありません。
サービス内容
さまざまな事情で引っ越しの家財を全部運べないときに、家財の全部や一部を引っ越し業者の倉庫やコンテナなどに、一時的に預かってもらうサービスです。
- 自社の広い倉庫の一角に家財を並べて保管する
- 敷地内の屋外コンテナに戸別に保管する
- 提携先の貸倉庫業者やトランクルーム業者に保管する
このように料金だけでなく保管方法も大きく異なります。有料オプションの位置付けになってはいますが、荷物が少なく保管期間が数日程度なら追加料金がかからない場合もあります。業者のスケジュール次第では、そのままトラックに積みっぱなしということもあるでしょう。
どんな人が利用しているの?
- 賃貸の内装工事が予定より長引いているため家財が入れられない
- 賃貸の退居期限があったためとりあえず家財を運び出す必要があった
- 遠方に引っ越す道中、親戚宅を何か所か回るため新居到着までに日にちがかかる
- 大規模のリフォームを行うとき、工事の邪魔になる家財を一時的に預かってもらう
- 自宅の建て替えで全ての荷物が入らない仮住まいに引っ越す場合、常時使わないものを預かってもらう
このような場合にとても使い勝手のよいサービスとして重宝されます。また、一時的というよりも長い期間になりますが、引っ越し先に入れられない大型の婚礼家具3点セットや、海外出張で赴任先に運ばない荷物を預かってもらうこともできます。
料金相場はどれくらい?
保管場所にどれだけの設備投資をしているか、温度や湿度を細かく調節しているところもあれば、必要最低限の管理に抑えて安くしているところもあり、一概に料金だけを見て高い安いの判断はできません。
荷物の一部を好きな時に出し入れできるところ、前もって予約をしてから出し入れするところ、預けっぱなしで一切出し入れができないところ、数日から1カ月程度なら無料とするところ、5カ月以内なら預ける量にかかわらず定額料金になるところ、本当にさまざまです。
一部の参考料金を紹介すると、押し入れ1軒分程度の屋外コンテナを利用した場合1カ月7,000円ほど、普通サイズのダンボール70箱相当が収容できる広さの温度と湿度を管理する室内型の倉庫では1カ月あたり12,000円ほどです。
引っ越し業者別のサービス内容
一時預かりサービスがある業者から選びたいと思っている人のために、主な引っ越し業者別のサービス概要を紹介します。
アート引越センター
引っ越しプランの有料オプションサービスの一つとして、一時預かり、一定期間の保管サービスを提供しています。全国どこでもというわけではなく、地域や申し込み時期によっては利用できないこともあるため、一時預かりが必須条件のときは、必ず事前に問い合わせをしてください。
ヤマトホームコンビニエンス
建替引越パックには、標準で家財の保管サービスが5カ月まで付いています。それとは別に、大がかりな家財でなくても季節外の衣類や、布団、スポーツ用品、キャンプ用品など、収納スペースが足りないという人のための預かり保管サービスも提供しています。
定温定湿の整った環境で、少量からでも受け付けてもらえます。一番小さいBOXで50cm四方高さが1m程度のサイズで月額14,000円程度です。この他にも、管理の難しい美術品や骨董品を、破損や盗難から守って保管してくれるサービスもあります。
サカイ引越センター
建て替えやリフォームの引っ越しで、往復引っ越しをする場合にのみ一時的に荷物を預かってくれます。新居が決まるまで、海外転勤の間だけ、というような場合は利用できません。
日本通運
短期から長期まで荷物を預かってくれるサービスがあります。温度と湿度とセキュリティーを集中管理する規模の大きな自社設備で保管します。荷物を出し入れするときは、事前に申し込み、出入庫料や配送料がかかるため、頻繁に荷物を出し入れしたい人には不向きです。
カルガモ引越センター
自社が所有する大小様々な大きさの屋外トランクルームを利用できます。1カ月までは無料で利用できますが、屋外のため、デリケートな荷物の保管には向かないかもしれません。
アーク引越センター
建て替えパックでは荷物の一時預かりが付いています。通常の引っ越しプランでも、搬出と搬入の日がずれる場合など一時的に荷物を保管してもらえます。
まとめ
多くの引っ越し業者は、建て替えやリフォームのための引っ越しプランに、荷物の一時保管サービスが付随しています。通常の引っ越しプランでも、有料のオプションサービスとして一時預かりサービスがあります。
しかし、その内容は説明したとおり保管方法や、出し入れしたい場合など、業者により対応はさまざまです。訪問見積もりなどの際に詳しく説明を聞いておき、自分に合った方法で安全に保管してくれる業者を選びましょう。
※サービスの内容および金額はすべて執筆時のものです。