観葉植物の梱包方法は?処分するにはどうすればいい?

引っ越し業者は貴重品や危険物、動植物や美術品などを運ぶことを拒絶できる、と国が決めています。しかし、何が何でも運ばないということではありません。観葉植物であれば数鉢程度なら運んでもらえることの方が多いです。

ただし、鉢数があまりに多いと、ムダにトラックの荷台を占有してしまうため引っ越し料金が割高になります。それによっては一部処分するという方法を選ばざるを得ない場合もあるかも知れません。

観葉植物を新居に持って行く場合

アイビーなどのつる性植物や多肉植物やエアプランツなど、室内のグリーンは癒やし効果があり人気です。テーブルヤシのような小さなものをいくつか並べても良いし、定番のゴムの木やパキラなど、天井に届くような大型のものは圧倒的存在感がありますね。

小さな鉢から何回も鉢替えして成長を見守ってきたものは、もはや家族の一員のような気がして、他の家具を処分してでも連れて行きたいと思う人もいると思います。そんな観葉植物の引っ越しについて紹介します。

梱包はどうすればいい?

いきなりダンボールに入れるのは止めてください。まずは、鉢から水が漏れてほかの家財を濡らすのを防ぐために、前々日辺りから水やりの量を調整し前日は控えておきます。こうすることで少しでも重量が減らせ、運搬中にダンボールの底が重さや水濡れで抜けるのを防ぐ対策にもなります。

ダンボールは鉢の大きさに合ったものを使います。卓上に置くような小さな鉢ならともかく、床置式で大きめの観葉植物は一箱に一鉢だけにしてください。ダンボールは重みで底が抜けないように、一番重さが加わる中央をしっかり補強します。

通常のガムテープを十字に貼る方法にプラスして「米の字」になるように斜めに貼っておくと安心です。側面にもある程度の長さを残してしっかりと貼り付けましょう。

素焼き鉢や陶器製の鉢は衝撃が加わると割れやすいため、ダンボールに入れる前に新聞紙や緩衝材を厚めに敷いておくと安心です。鉢全体を包める大きなビニール袋をダンボールに広げて敷いておき、その上に鉢をそっと入れます。

中で鉢が安定するように、ダンボールの切れ端や発泡スチロールブロックなどで要所要所のすき間を埋めて、前後左右に動かないように固定してください。

その後は、緩衝材で全体を覆ったり、ビニール袋をかぶせたり、ダンボールをつなぎ合わせて箱詰めしたりして運びます。どうすべきかは引っ越し業者の指示に従いましょう。鉢が1〜2個なら、スタッフが手早く梱包してくれることもあります。

補償の対象外になるので注意

国が定める標準引越運送約款では、動植物など生命あるものの運送を拒絶できる、となっています。拒絶という言葉から断るとか拒否よりも強い感じの印象を受けますが、多くの引っ越し業者では運んでくれることが多いので安心してください。

ただし、運送中に万一枯れてしまったり葉や枝に損傷があっても、引っ越し保険の補償対象にはならないことを承諾して依頼することになるでしょう。必要に応じて承諾書に一筆サインをすることがあるかもしれません。

専門業者に依頼した場合の料金相場

大きな鉢植えだと重量もあり、水が出てくることもあるため、何かの上に重ねて運ぶことはできません。鉢が何個もあるとトラックの荷台の広いスペースが必要となるため、全ての家財と一緒に運ぼうと思うと大きなトラックサイズに変更するか、トラックの台数を増やして対応することになります。

そうなるとスタッフの人数も増やすことになり、かなり引っ越し料金が高額になる可能性があります。

それなら植物輸送をしてくれる専門業者に観葉植物だけを、まとめて運んでもらった方が安い場合があります。または、高さや重量が規定内なら厳重に梱包して宅配便で送ることもできます。念のため、引っ越し業者に依頼する場合と、他の業者に依頼する場合とどちらが安くなるか見積もりを出してもらい検討する余地はありそうです。

以下に植物輸送に関する参考料金の一例を紹介します。

観葉植物をダンボールに梱包した縦・横・高さの三辺の合計が250cmから300cm程度の大きさで、東京から大阪へ送った場合の最安値が7,000円程度で最高値が20,000円程度です。このとおりかなりの料金差があり、下手をすると新しい同程度の観葉植物を購入して送料無料で送ってもらった方が安い場合があります。

観葉植物を処分する方法

長年育てた観葉植物を、どうしても新居に持って行けない事情があるときは、やむを得ず処分しなければならない場合もあるでしょう。

たとえば同居することになる人が土や観葉植物でアレルギー反応を起こす場合、大きく育ちすぎて手に負えなくなってしまった、数が多すぎるので半分に減らすように言われた、置くスペースがない、病気が発生して枯れ始めている、などのときは、残念ですが何らかの対策が必要です。

丸ごとゴミとして処分するのはNG

病害虫などで手の施しようがない物は諦めて処分するしかありません。その際は、自治体のゴミ収集のルールに沿った方法で分別ゴミの回収日に出しましょう。観葉植物がゴミの袋からはみ出すようなら、小さく切ったり折ったりして土や鉢とは分けて燃えるゴミの日に出します。

土は、少量なら不燃ゴミで回収してくれる自治体もあります。庭に巻くことができるなら良いですが、よその公園や知らない土地に捨てに行くと、不法投棄になってしまう場合もあるためおすすめできません。大量にあるなら造園業者や自治体の廃品回収許可業者などに相談してみましょう。

ホームセンターや園芸店などでは不要な土の回収サービスを行っているところもあるようです。植木鉢は、プラスチック製なら燃えるゴミかリサイクルゴミ、素焼きや陶器製の鉢は燃えないゴミに分別することが多いようです。大きな鉢は粗大ゴミに分別される場合もあるため、必ず事前に自治体のホームページで確認してから処分しましょう。

自然に還って強く生き延びて?

自分が育てて大きくした観葉植物をゴミとして処分するなんて耐えられない、という気持ちはわかります。だからといって人目のない夜に森や林に忍び込んでこっそり移植することは止めましょう。

日本の気候に合わなければ生育しませんし、もしうまく生育したとしても近辺の生態系を乱すことになってしまいます。土の廃棄同様、観葉植物の不法投棄になってしまいます。

もらい手を探してみる

まずは近所の人で引き取って面倒を見てくれる人がいないか声を掛けてみましょう。運ぶ際にもそれが一番手っ取り早いです。大きめの観葉植物は買うと5,000円や10,000円以上するものもあり、丹精込めて育てたものなら植物好きの人に喜んでもらってもらえる可能性は高いです。

メルカリなどのフリマサイトで観葉植物の出品ができるようですが、引っ越しが間近に迫っていれば確実にもらい手が見つかるかどうかが分かりません。

不要な観葉植物を引き取ってリサイクルしてくれる業者もあります。大きくなり過ぎたものや、葉が乱れたり少なくなったものなどを格安で販売しています。また、切り戻した枝や葉を使って増やしたり株分けや増えかえをしたりして再生して販売されます。こうしてあちこちで元気に根付いてくれれば罪悪感も感じずにすみそうです。

観葉植物のリサイクル業者は回収せずに持ち込みだけのところもあるため、必ず廃棄処分料と併せて事前に問い合わせてみてください。

まとめ

挿し木や挿し芽でどんどんと増える観葉植物は、面白がって増やし過ぎると引っ越しの時に鉢が多くなり梱包も輸送も大変です。

いずれは引っ越しの予定がある転勤族などは、いざという時のために責任を持って世話をしてくれる譲渡先を見つけておくと良いかもしれません。小ぶりのものは近所の仲の良い美容院やカフェに引き取ってもらえることもありますよ。

大切なものなら、引っ越し前に切り戻すなりしてコンパクトにしてから運んでもらう方法もあります。どうしても大きくて運ぶのが難しい場合は、時期の良い季節に根を取り出し子株に分けて植え替えることも検討してみましょう。

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